西野七瀬28歳に聞いた、乃木坂から女優業へ「自己評価はいつもゼロに」 | ニコニコニュース


西野 七瀬(にしの ななせ、1994年〈平成6年〉5月25日 - )は、日本の女優、ファッションモデル、タレントであり、女性アイドルグループ・乃木坂46の元メンバー、『non-no』元専属モデルである。大阪府大阪市出身。身長159 cm。血液型はO型。乃木坂46合同会社所属。愛称は、なぁちゃん、ななせまる。
123キロバイト (15,564 語) - 2022年6月22日 (水) 16:14



 2011年に女性アイドルグループ・乃木坂46のメンバーとしてデビューを飾り、卒業後の現在は女優として活躍中の西野七瀬さん(28)。昨年公開された映画『孤狼の血 LEVEL2』では、第45回日本アカデミー賞優秀助演女優賞・新人俳優賞に輝くなど、着実にキャリアを重ね、評価も高めています。

西野七瀬
西野七瀬さん
 現在公開中の映画『恋は光』では、恋する女性が放つ光が視える大学生の西条(神尾楓珠)と、彼をとりまき、恋の定義への意見を交わしていく女性3人との関係が描かれ、西野さんは、西条を一途に思い続けながら「光ってない」と言われてしまう幼なじみの北代を演じています。

 セリフ回しや表情を含め、とても自然に北代を演じている西野さんですが、本読みでは「ここのセリフは何秒でいきたい。あと2秒削って」といった指導もあったとか。そんなエピソードに始まり、北代に感じた魅力、そして『孤狼の血 LEVEL2』での評価に思うことも聞きました。

北代は自分とそんなに近くない

――「恋の光が視える」という設定から始まる物語を聞いたときには、まずどう感じましたか?

西野七瀬(以下、西野):ファンタジー要素が入っている恋愛ものということで、最初はあまりイメージできなかったんです。「どういう感じなんだろう?」って。そこから原作の漫画を読んで、「なるほど」となって。いわゆるザ・恋愛映画といった要素があまりなくて、ひたすらみんながしゃべっているユニークな作品だなと思いました。

――西野さんの演じる北代は、濃いキャラクターのなかにあって、一番観客が感情移入しやすいキャラクターかと思います。この役でのオファーはいかがでしたか?

西野:北代は自分とそんなに近いわけでもないんです。だから自分にこの北代の魅力がちゃんと出せるかなと思いました。セリフを読んでいても、「どうやって言おう。難しいな」と感じることが多くて。事前に本読みの時間を取っていただいたので、そこから少しずつ北代っぽくなっていったのかなと思います。

自分のほうに北代を寄せていった

恋は光
(C) 秋★枝/集英社・2022 映画「恋は光」製作委員会
――実際に声に出すことで、体に馴染んでいったのでしょうか。

西野:きっと小林(啓一)監督も、はじめは私の北代がしっくり来ていなかったと思うんです(笑)。本読みのときに、「早口で抑揚をつけずに、ここのセリフは何秒でいきたい」と指示がありました。実際に計ってみて「あと2秒削りたい」とやりとりしたり、独特な空間でした。

 最初はなかなかつかめなかったのですが、神尾くんと合間に雑談していたのを監督が見ていて、「今のしゃべり方! その普段通りでやってほしい」と言っていただき、北代に自分を近づけるんじゃなくて、自分のほうに北代を寄せてやったほうが、監督的にも、私としてもやりやすい形だと気づけてよかったです。

「私はこんなに健気じゃない(笑)」

恋は光
(C) 秋★枝/集英社・2022 映画「恋は光」製作委員会
――最初、ご自身とはどこが違うと思ったのでしょうか。演じてみて、改めてどこが北代の魅力だと感じましたか?

西野:私はこんなに健気じゃないです(笑)。北代は偉いなあと思います。自分の好きな人の恋を応援というか、手助けするんです。大学生でそんなふうに考えられる人はなかなかいませんよね。逆に、うまくいかないようにする人のほうが多いのかなと思います。それに誰にも対応を変えずに接して、周りのことを一番見ているのはすばらしいし、相手に気を使わせないところがステキだなと思います。

――西野さんが4年間大学で何かをじっくり研究できるなら、何の研究をしたいですか?

西野:虫とか。そんなに虫って好きじゃないんですけど、でも文学とかの研究はもっとできなさそうで……。虫は普段触るのとかは苦手ですけど、調べるのは好きなので、小さい生き物、アリの生態とか面白いのかなと思います。

自己評価はいつもゼロに引っ張られる

西野七瀬

――北代は、自分自身では「恋をしている」という強い思いがあるのに「光っていない」と言われてジレンマを抱えていますが、たとえば西野さんは、女優としての評価にジレンマを抱えたことはありますか?

西野:全くないです。まだまだ全然頑張っているとは言えないですし、もともと私は自己肯定を高くできない性格で、ゼロか100でしか考えられなくて、どうしてもゼロに引っ張られてしまうんです。いいと考えることがなくて。

――ゼロでは辛いのでは?

西野:そうしたときにたとえば「良かったよ」といった感想を言ってもらえるとすごく嬉しいですし、その言葉があるから頑張れたりします。あとは自分への評価がゼロの状態だったとしても、それは自分にしか返ってこないことなので、あまり気にしなくていいかなと思っているんです。

 毎回作品をやるときには、絶対に悩むんですけど、その時間も楽しんでいるというか。いろいろ考えてどうしようと思っている時間も好きですし、私にとお話をいただけている限りは、続けていけると思っています。それに毎回、いい作品、いい方々に出会えているという気持ちは強いです。

「恋」を定義するなら?

恋は光
(C) 秋★枝/集英社・2022 映画「恋は光」製作委員会
――自己評価は低いとのことですが、本作での北代もとてもステキですし、昨年公開された『孤狼の血 LEVEL2』では複数の賞を受賞しました。意識の上で変化はありませんか?

西野:ビックリしましたし光栄でしたけど、特に賞が欲しくてお仕事しているというわけでもなくて。ただ、こんなにもたくさんの方に「おめでとう」と言ってもらえて素直に、すごく嬉しい、喜ばしいことだとは思っています。でもあまり自分自身のなかでは意識の変化はないです。

――ありがとうございます。最後に、いまの時点で西野さんが「恋」を定義するなら?

西野:映画の中でも恋の定義はたくさん出てきますが、結局、答えは出ていません(笑)。でも誰かのことをふと考える時間とか、そういうのっていいものだと思うし、たとえば美味しいものを食べたときに、「これ食べて欲しいな」とか、キレイな景色を見たときに「見てほしいな」とか、共有したくなる気持ちが恋なのかなと。それに恋って、対人に限らず、なんに対してもできるものなのかなとも思います。

<取材・文・撮影/望月ふみ>

【望月ふみ】

ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異 Twitter:@mochi_fumi

西野七瀬さん


(出典 news.nicovideo.jp)